マスクアライナー

 

● マスクアライナーとは

マスクアライナーとは紫外線を用いて試料に微細なパターンを転写・焼付する装置で、マスクアライメント装置とも呼ばれます。

トランジスタ、ICなどの半導体素子の製造を主にLCDガラスのパターン形成や水晶発振子の製造などにも用いられます。光を用いて微細な回路や構造を製作する工程をフォトリソグラフィと呼びます。

基板素材はシリコン、ガラス、セラミック、ガリウムーヒ素、水晶など多岐にわたります。

密着等倍露光型マスクアライナーの主な用途としてトランジスタ、ダイオード、発光ダイオードなどの個別半導体素子(ディスクリート)やセンサの製造に使用されます。

露光方式には、密着露光、近接露光(以上コンタクト方式)、等倍投影露光、縮小投影露光などの方式があります。

一般的な片面露光コンタクト方式のアライナーではレジストを塗った試料上にフォトマスクを配置させ、上から紫外線を照射します。

 

◎一般的なマスクアライナーの分類

 

実際のマスクアライナーはターゲットデバイスの種類や製造プロセスに合わせて、様々なタイプが存在します。

「どこにどのようにパターン露光するか」でマスクアライナーの構成が変わります。

マスクアライナーの主要構成ユニットは以下の3つです。

・アライメント(位置合わせ)機構部
・観察光学系
・UV露光光源部

 


マスクアライナー製品ラインアップ

当社での分類は、機能、特徴、用途および、この3つの主要構成ユニットの形式で分類しています。
標準仕様をもとにカスタマイズも可能です。

ナノテック マスクアライナー紹介(PDF)(ダウンロード)
 


片面アライナー(標準的な露光機)LAシリーズ / ESシリーズ

試料の表面を露光する一般的なコンタクト方式のマスクアライナーです。

試料サイズ(露光面積)や必要UV照度、分布精度に対応する各種UV照射装置、必要とするアライメント精度や運用方法に合わせた各種観察顕微鏡、アライメントステージなど様々なマスクアライナーがあります。

ESシリーズは片面露光カスタムアライナーの総称ですが後に当社標準機としてラインナップしたものを含みます。


裏面観察アライナー(逐次両面露光機)BAシリーズ

試料の表裏に片面ずつ露光するタイプのマスクアライナーです。

試料の表面露光用UV照射装置一式と試料裏面を観察する光学系を装備しています。試料の表裏で製造プロセスが異なるMEMSデバイス製造などに使用されています。


両面アライナー(両面同時露光機)BSシリーズ

試料の表裏を同時に露光するためUV照射装置を二式装備しています。

ダイオードなどの各種パワーデバイス、水晶発振子などの通信関連デバイスなどに使用されるマスクアライナーです。


多面アライナー(斜光多面同時露光機)LA / BSシリーズ

角形試料の表面と左右両側面(合計3面)を同時に露光するタイプのマスクアライナー。または表裏および左右両側面(合計4面)を同時に露光するタイプのマスクアライナーです。UV照射装置は2灯または3灯を装備しています。

カーナビなど各種センサデバイスを製造するために使用されるマスクアライナーです。


プロジェクション アライナー(投影露光機)PR

マスクと試料を密着させて露光するコンタクト方式のマスクアライナーと異なり、試料表面にマスクパターンを投影して露光するタイプのマスクアライナーです。

試料-マスク(レチクル)が非接触なため、両者へのダメージが非常に少ないのが特徴です。試料表面の段差の底面にパターン露光するなど、構造上の制約がある材料を用いた特殊センサ製造などに使用されます。


カスタムアライナー(セミカスタム・フルカスタム露光機)ESシリーズ / EXシリーズ

セミカスタムではアライメントステージ、顕微鏡、UV照射装置など主要構成部品を選択枝から選んでマスクアライナーを仕上げることができます。必要なユニットだけでセットアップが可能ですのでコストダウンが図れます。また将来のアップグレードにも対応可能ですので初期投資を抑えることもできます。

フルカスタムではお客様のご要望に合わせてマスクアライナーを開発・製造できます。


 

この分類は便宜的なものです。例えば、裏面観察光学系を持つマスクアライナーでランプハウスを複数搭載し多面同時露光を可能にしたマスクアライナーも製品化しています。

複数の特徴・機能を合わせ持つ装置は該当するそれぞれのページに登場しますのでご確認下さい。